フォレストポジティブな未来に向けた取り組み

森林は、世界の陸地面積の30%近くを占めています。無数の動物、植物種そして人間に住処と生存手段と生態系を提供する森林は、私たちの最も貴重な資源の1つです。しかしながら、森林は驚くべき速度で消滅しつつあり、そこに消費財産業が関与していることを認めざるをえません。パーム油、大豆、紙・パルプなどは私たちのサプライチェーンの多くにおいて主要な原材料ですが、その調達過程で地球と人々に関する社会課題の存在を指摘されています。森林保護は、持続可能な経済成長と開発の推進力となるものであり、成長と開発を犠牲にするものではありません。産品主導型の森林破壊を食い止めることが、世界の気候変動への対処、生物多様性の維持、原材料の信頼できる供給源の確保、持続可能なサプライチェーンの構築、そして強靭なコミュニティの構築のためにきわめて重要です。民間セクターから各国政府、NGO、小規模農家、地元のステークホルダーに至るまで、すべての人に果たすべき役割があります。企業は重要な役割を果たしますが、企業だけで森林破壊を止めることはできません。

私たちの経験を足がかりにする

2010年、CGF理事会は、2020年までに森林破壊正味ゼロを実現する決議を採択しました。私たちは、主要産品である大豆、パーム油、紙・パルプおよび畜牛の調達が熱帯雨林を激減させないように、それらの責任ある調達を通じて森林破壊正味ゼロの実現を目指しました。10年前、私たちの戦略の基盤は、主に認証を通じて、個々の企業のサプライチェーンを修正することにありました。サプライチェーンにおける懸命な努力と投資が功を奏し、認証がきわめて重要な役割を果たすことを学ぶことはできましたが、しかしそれは唯一の解決策ではありません。

持続可能な効果を目指して根本にある問題に踏み込む

私たちは、森林破壊を食い止めるための活動を推進し続けるため、フォレストポジティブ行動連合を発足させました。行動連合は、フォレストポジティブな未来に向け、多様なステークホルダーとの協働の必要性も理解して効率的かつ迅速に活動している野心的なCGF会員企業で構成されています。私たちは、2010年のコミットメントの進捗とそこに生じた課題の両方から学んできました。 行動連合は今後、サプライチェーン企業とその他ステークホルダーからの重要な意見をもとに策定した変化理論の二つの柱-サプライチェーン管理と統合的土地利用アプローチ-に裏打ちされたシステム変革に重点を置く計画です。いかなる部門も、いかなる特定の商品戦略も、いかなる地域も、単独では森林破壊の問題を解決できないことは明らかです。したがって、私たちは今後、行動と結果の変化をマクロレベルでもたらすような実践と政策を支持し、支援していきます。そして、環境、持続可能な生活、人と動物の健康など、複数の利益を総合的に促進・保護することで、私たちの役割を果たしていきます。

主要産品を対象とする

CGFのフォレストポジティブ行動連合は、森林破壊の原因となっている主要産品の生産・供給を改善していくことに注力しています。対象産品は、パーム油、大豆、パルプ、紙および包装です。行動連合は、特定の商品ごとに連合メンバーがコミットする行動の概要を示すロードマップの作成を進めています。各ロードマップの内容は、サプライチェーン管理、サプライチェーンを越えて関与する方法、より効果的な協働と透明性を推進する方法などです。行動連合の産品別戦略は、サプライチェーンの内外で行動する必要性を念頭に、行動の整合性を図り、行動連合メンバーと外部ステークホルダー間の協働を構築することによって変化を促進していきます。

ステークホルダーにまで活動範囲を広げる

行動連合は、サプライチェーンのサステナビリティとグリーンエコノミーの発展のために、各国政府、熱帯森林同盟(TFA)のパートナーおよびその他ステークホルダーとの協働にコミットしています。連合のメンバーは、自社のサプライチェーンから森林破壊を根絶することに努めるばかりでなく、自社のサプライヤーにもその生産プロセス全体を通じて同様の努力を求めたいと考えています。これは野心的な目標ではありますが、私たちのメンバーが承知しているように、地元のパートナーやリソースと積極的に関与していくことにより達成し得る目標です。

日本での活動はこちら → 日本サステナビリティローカルグループ パーム油ワーキンググループ

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